これまで私は、自分はどちらかといえば、社会的弱者とは無縁だと思っていました。ところが、子どもを産んで、離婚して、体調を崩した途端、私自身が社会的弱者になったことに気がついたのです。正確に言えば、社会的弱者と『周囲から思われていること』に気がついたのです。それは、いろいろな場面で発せられる言葉や態度から感じられ、悪意はない、むしろ善意からだとわかっていてもなお、なんとも居心地の悪い気持ちになりました。

 

「人間は周囲から弱者として扱われ、自分自身が弱者だと思った時に、本当に弱者になるのだ。」

 

そう思いました。児童養護施設の子ども達と私自身が重なった気がしました。同時に、こんな頼りない母に輝かんばかりの笑顔を向けて笑う我が子が児童養護施設の子ども達とも重なりました。

 

どんな理由があろうとも、児童養護施設の子ども達が早くから孤独に耐え、子どもとして当たり前の生活を送れないでいるという不条理は解消しなければならない….この経験をきっかけに、私は自分がこの分野で貢献できる道を模索し始めることとなりました。

 

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