サバイバルイベントin 高島 実施報告書

<実施概要>

2014727日、年齢、地域、家庭環境の異なる子供たちが集い、自然の中自力で生きることをテーマとする「ぐるーん式自給自足生活 高島チャレンジ編」を岡山県笠岡市の高島にて実施いたしました。

 

参加者は総勢 72名(内訳:児童養護施設児童 9名 施設職員 3名 養子1名 養親1名 里子児童1名 里親1名 一般児童24名 保護者17名 その他のサポーター14名 指導員1名 )と、高島に在住する市民とほぼ同数の参加者が集まり、にぎやかなイベントとなりました。開校式でスコールのような大雨のスタートとなりましたが、1時間ほどで快晴となり、以下プログラムを実施することができました。

 

1.     水をゲットせよ!:雨の中をひたすら歩き続け、「眞名井」の泉の祠に辿りつき、湧き水をひしゃくを使って2リットルの空ペットボトルに注ぎ入れ、バッグに詰めて山道を歩きました。「この班では僕が一番年上だから!」と一人で運ぶ子、「100歩ずつで交代!」と仕切る子、運び方は班それぞれでしたが、しっかりゴールの砂浜まで運びました。

2.     島の位置を確かめろ!:島の神ト山までの急な階段と大岩を上りきり、全員で島の大きさを眺め、朝上陸した港、土砂降りの雨の中を歩いてきた道、そしてこれから向かう砂浜までの方向を確認しました。砂浜までの道のりが遥か先の山向こうであることを知った子供たちからは「うぇ~!まだあんなに歩くの~」と悲鳴が出ましたが、元気いっぱい。山道の途中、沢ガニやトカゲ、クワガタムシの屍骸、蛭に尺取虫、山椒の葉・・・さまざまな発見がある度に「おぉー。」と足を止め、発見者の周りには輪ができましたこうして子ども達同士、自然と打ち解けていきました。

3.     食料をゲットせよ!:砂浜を見下ろす高台に辿り着き、準備をしている大人を見かけると、子ども達は「着いたぞー!」と叫び、駆け下りて行きました。浜では生簀が用意され、巨大なスズキや鯛、たこやヒトデなどをおっかなびっくり手づかみで捕まえました。また、生きている魚を締める、うろこをペットボトルの蓋を使ってとるといった体験をしました。

4.     火をおこし、飯を炊け!:火打石を使った火おこしに挑戦しました。火花は散るもののなかなか火がつかず、すぐにあきらめてしまう子や、石拾いにはまる子、石拾いから石投げ競争になってしまう子、さまざまでした。炎が上がるたび、「すごーい!」と歓声が上がりました。「硬い石の方がいいんだ。」「この鉄はどうやって作るの?」と、掘り下げて興味を持つ子もいました。

5.     のろしを上げろ!:島を歩きながら集めた笹の葉を海水で湿らせ、焚き火にのせると、白い煙が濛々と立ち上りました。白い煙が出た後、遥か先の磯場、山の中腹から赤い煙が立ち上り、情報が伝達することを学びました。また、のろしを3つ並べるとSOSのサインであることを学びました。

 

<評価> 

年齢、地域、家庭環境の異なる子供たちが集い、自然の中自力で生きることをテーマに小さなサバイバルを体験することで、こども達はいくつものミッションをクリアしながら自然と仲良くなっていきました。また、単にこどもたちを遊ばせるイベントではなく、支える大人達も本気でサバイバル体験に取り組みました。大人たちも地元のぐるーんメンバーだけでなく、一般参加や施設職員、関東からの移住者、避難者など、環境の異なるメンバーがミッションを共有し、役割分担を行い、子ども達同様に垣根を崩すことができました。更に参加者だけでなく、今回のイベントでは地元高島の住民とのふれあいも意義深いものとなりました。半年前からの入念な下見と打ち合わせにより、地元住民が事前にこども達が歩く全島内の遊歩道の草刈り、備品の運搬や、船での送迎で便宜を図っておかげで円滑にプログラムを進行することができました。山を仲良く駆け下りるこども達を笑顔いっぱいで迎える大人たち、ここにひとつの大きな共感がうまれました。

 

以下、参加者、地元住民の方の声です。

 

一般参加者の声

  「一人娘が産まれて落ち着いた頃に婦人病になり、子供を望めなくなり、無い物ねだりなんでしょうか、自然と友人との会話で養子縁組などについての話題が多くなっていたんですが、批判が多く、難しいよな~って思ったりしていました。動物でも飼ってみようかなと思っていた矢先にぐるーんの活動を知り、自分も仲間に入って色々経験や体験をしてみたい気持ちになったのです。サバイバルイベントは、娘にも“施設で生活している子もいるけど普通に接する事が出来る?”といったことを事前に話しました。娘の「参加して友達を作りたい」という純粋な気持ちを確認できたので、参加しました。どの子も人の子、誰が誰の子とかどうでもよくて、スタッフの方や参加されてた方もイベントを楽しんでいる仲間という雰囲気に包まれていたように感じました。」

 

養子縁組された養親の声

「アメリカからの一時帰国中に倉敷出張の仕事があったので、息子と母と家族三代で高島のサバイバルイベントに参加しました。息子は日本語はほとんど出来ないけど、参加したお姉ちゃんたちに支えられて山歩きも海遊びもたっぷり楽しみました!」

 

地元住民の方の声

 「子供の声をあまり聞かないこの島で、こんな元気な声を聞ける素敵なイベントをしていただいてありがとう。また手伝うから来年もおいで。」

 

<反省点>

1.   参加者の健康管理:注意喚起はしたものの1名、軽度熱中症症状を出す事となった。(休憩室として用意したペンションで回復しました。) 次回より、一層の注意喚起と参加者体調管理においてのスタッフ増員、前泊などの対応ができるような体制を整え、参加者の体調変化に対応できるプログラムを検討します。

2.   危険管理の徹底:十分な指導者の数を確保することが課題です。


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