「ねえ、見て。この子、かわいいでしょ?」
2歳くらいの女の子の写真を見せて、その女性は言った。
「ほんとだ、かわ……」
私が言い終わらないうちに、
「私の子どもなの。2歳になったばかりよ。今は一緒に住んではいないんだけど、ユミカっていうの。乳児院にいるの」
彼女は続けた。
彼女は愛し合った男と結婚した。
誰もが祝福してくれた結婚だったはずだが、男はとんでもないぐうたらで、女の子を産んですぐに浮気をして家に帰らなくなった。
それどころか暴力を振るうようになり、家を出たのだと言う。
「でもね、急に女一人で小さい子を育てられるほどの力もなくて、子どもだけ施設に預けて働いているの。
毎月、おもちゃやお洋服を持って会いに行っているわ。
だって、私がお母さんだ!って忘れてほしくないから……。
ユミカは小さくて、かわいくて、かわいくて……」
女性の声はだんだんと小さくなり、最後はすすり泣きに変わった。
「会いたいの。今すぐ一緒に暮らしたいのよ....。」
しばらく泣いた後、
「こんな泣いてばかりのお母さんじゃダメよね。笑わなきゃ。あの子のためにも笑わなきゃね」
こう言って顔を上げた彼女の顔は、涙に濡れていたけれど、確かに笑っていた。
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